戦略と素直さ X経験・補足

 いろんなことを戦略的に考えることが、悪いことをしているように思える。悪巧み、計算してる、予定調和。事前にものごとを予測し、策略的に対応を考えて実行をしたりすることは、しばし嫌な言われ方をする。

 計算的に物事を進めると「あざとく」見える。あざとい人間と純粋な人間がいれば、好かれるのは純粋な方だ。伊集院光氏が師匠の三遊亭圓楽氏のメディア対応に「師匠、戦略ですか」と聞いて「お前、そういうことを考えているといつか落とされるよ。純粋に向き合うだけだよ」と説いたことが、妙に頭に残っている。

 「あざとさ」が見えるうちは半人前。そういうことなのであろうか。圓楽氏ほどの才のある方が計算なく行動したり、発言したりしているとは思えない。粋で好かれるには、その才をひけらかしたりしない。結局「うまく、巧み」なのである。

 所詮世の中は「巧み合い」。純朴そうに振る舞いつつも、裏ではしっかり戦略を考えて進めている。口で戦略、戦略というのはちょっとみっともない。思いつきのような、ラフで素直そうな戦略家でありたい。

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